結晶釉タイルのおはなし

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みなさんこんにちは。

ザーザーの雨が続いたと思ったら急に猛暑の気温で晴れたりで、気圧や気温の変化などに身体がついていかない工房最弱スタッフでございます。同じようなお仲間様、ご自愛くださいませね。

さて、今回は結晶釉薬のタイルのお話をつらつらとしていこうと思います。

釉薬には色々なタイプのものがあって、ツヤツヤの綺麗なものだったり、マットな質感のものだったり、少しざらっとしたような質感のものだったり、それぞれに個性のある表情をしています。

中でも、結晶釉と呼ばれる上記写真のような釉薬のものは、製作された時々で様子が変わりやすい、ある意味では焼き物らしいタイルとなります。

結晶釉はタイルが焼かれた時に冷えていく過程で入っていく物で、これを均一にコントロールするのは難しい現象になるかと思います。

焼かれる際の窯の位置や温度、冷え方などでも出方が変わってきてしまうので、それをタイルで全て均一の表情にというのは至難の技であり、せっかくの個性なので輝かせてやりたいところです。

この結晶釉、小さい面積には綺麗に出るけど、大きいと出ない。大きい面積だと綺麗に出るけど、小さいと出ない。など、物によっても様子は変わっていくようで、メーカーさんも色々工夫と試行錯誤をしながら生産をしてくださっています。

うまく結晶が出ないことで廃棄になり、コストが上がってしまったり、同じタイルじゃないとみなされB品的な扱いになってしまったりと苦労が多いことで製作自体をやめてしまうところも多々あったようです。現在もこういった味のあるタイルを生産してくださっているメーカー様には頭が下がるばかりです。

昔に、結晶釉の結晶が入っていく過程を“結晶が育つ”と聞いたことがあります。なんだか生き物みたいな表現ですが、それぞれ1つとして全く同じではない表情になっていくので、“育つ”とい表現はまさにという感じなのかもですね。

育ちきった子も育ちかけの子も色々混ざっての面白い焼き物らしい結晶釉の表情を楽しんでいただけたら嬉しい限りです。

それでは、また。

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