椅子のご帰還

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みなさんこんにちは。

9月になっても、やはり日中はまだまだ暑い工房です。

さて、以前のブログで話題にしていた夏の宿題的な椅子の製作がありましたが、無事にイベントへ旅立ち、工房へと帰還をはたしました。

セラスタ2024のスワールドカップというコンペに参加し、色んな方に見ていただけたようです。

これを作るのにこんなことを思っていましたというのを書き連ねておりますので、お時間がある方は読んでくださったら嬉しいです。


– スワールド椅子製作について –

「椅子を作ってね!」と言われたときは正直戸惑いました。

悩む中に思ったことは、作善堂で約10年シンクのデザインをしてきた中で培ってきたものを椅子に込めたいなということ。

私はシンクを作る際、タイルはなるべく割らないでそのままの形で使います。

水場で使用の際に危険を少なくする事もそうですが、各メーカー様がこれだと考えに考えて商品としているものをできるだけ受け取ってそのまま形にしたいと思うからです。

また、古いものから新しいものまで色んなタイルを仲良くさせてあげる事ができたらと思う気持ちもあり、この椅子になったように思います。

デザインパーツとしては、中央の円と外側の円との2つに分かれていますが、中央は大人の世界。

いろいろなことを経て、整わなければいけない、きちんとしなければいけない、そんな大人の気持ちの部分をグレーの目地で。

外側は子供の世界。キラキラどんな個性も輝き自由に動いて楽しい様子を無垢な白目地で。

どちらのデザインパーツも美しい。

どちらもあるから引き立っている。

そんなデザインになっていたらいいなと思います。

タイトルのspiritosoは楽典用語で“精神をこめて”という指示になります。

これまで作善堂で培った“精神”がこの椅子にこめられていたらと思います。


色々と頭を回してはいますが、私だけではなく、工房のスタッフみんなに手伝ってもらい、1つの素敵な椅子が出来上がりました。

シンクを作るのも1人ではできないものです。

今後もチーム全員で良いものが仕上げられたらなと思います。

見守りつつ撮影してくれているスタッフも。

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