みなさんこんにちは。
早いもので、もう年末が見えてきた時期になってきましたね。
(作善堂は基本いつもバタバタしているので、あっという間に1年が終わり、知らぬ間に始まっている感覚なんですがね。笑)
今日は貫入タイル についてのお話をしていこうかと思います。
貫入“かんにゅう”と読みますが、陶器の食器などに見られる釉薬のひび割れの模様のことを言います。(表面に入っている細かなヒビの模様)
焼き物が窯で焼成され高温になったものが冷える時に、素地の土と釉薬の膨張率・収縮率の違いによって細かいヒビの模様が入るのが貫入です。
ちなみに焼成された時に入るものもあれば、日々の使用の温度差やちょっとした衝撃で入っていく時もあります。
貫入が入る時、小さな細かい音で「ピーン、ピーン」と鳴るのですが、素人にはあまり馴染みのない音かもしれません、その為、生活音に紛れて鳴っていてもあまり気が付かないかなと思います。
過去にタイルメーカーの社長様が弊社にきた時、陳列していたかなり古いタイルから貫入の入る音が鳴っていたようで、「ん?こんなに古いタイルにまだ貫入はいってる?」と本題の話そっちのけで貫入音の出どころ探しになりましたが、私はさっぱり気がついておりませんでした。笑
貫入タイルはヒビ模様がなんともいい味わいのタイルなのですが、使用には少し注意とご理解が必要になります。
ヒビの模様と言っている通り、釉薬部分には実際に小さなヒビが入っています。
目地を入れる際、このヒビ部分に目地が入っていたり入っていなかったりする為、まだらに見えたり、タイルだけの時には目視出来なかった少しの傷がすごく目立ちます。
薄い色のタイルに濃い色の目地を入れたりするとこれが顕著に見られますね。
また、日常での使用の際もヒビ部分には汚れや水分も入りやすくなっており、使用していく中でも汚れが目立つようになってくるかと思います。
メーカー様から伺った話だと、貫入の入らない安定した釉薬に比べると柔らかい為、傷などもつきやすく、膨張率の違う生地と釉薬の為、何らかの際に最悪は釉薬層の部分が剥離してしまう可能性も0ではないとの事でした。
このような特徴が出る為、シンクにご希望の場合はご理解を頂いた上でご注文をお願いしております。
焼き物らしい特徴は貫入に限らず窯変や結晶など色々ございますが、焼き物がゆえの振れ幅がありますので、これを味として喜んでいただける方にお使いいただければ嬉しい限りだなと思います。
それでは、また。